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表現主義 (建築)

表現主義建築の歴史において特筆に値する出来事としては、1914年にケルンで行われた第1回ドイツ工作連盟展、ハンス・ペルツィヒ設計のベルリン大劇場(Groses Schauspielhaus)の1919年落成とその後の上演活動、ブルーノ・タウトを中心とした建築家たちによる往復書簡「ガラスの鎖」(Glaserne Kette)、そしてオランダのアムステルダム派の運動などが挙げられる。

主要な建築物は、表現主義建築のシンボルとも称されるエーリヒ・メンデルゾーン作のアインシュタイン塔(1921年ポツダム)、北ドイツ表現主義建築を代表するフリッツ・ヘーガーのチリハウス(1924年ハンブルク)などである。

当時のドイツは第一次世界大戦敗戦後の困窮した経済状態で、建築の依頼は限られていた。そのため、設計されたまま実現することのなかった作品や、短期間のみ展示された建物も非常に多かった(これらの中には、ブルーノ・タウトのアルプス建築(Alpine Architektur、1917年)やヘルマン・フィンステルリン(Hermann Finsterlin)の形式遊び(Formspiel、1924年)のように、建築学史において重要な位置をしめる作品も少なくない)。

1925年までにタウトやメンデルゾーン、ペルツィヒは、視覚芸術における表現主義芸術家たちとともに新即物主義(Neue Sachlichkeit)の運動へと転じていった。これはより実際的・実務的な方法論に基づくもので、表現主義初期の実験精神を捨て去るほどの方向転換であった。以降、表現主義の作風を堅守したのはハンス・シャロウンなどの少数派に限られる。1933年のナチス党の政権掌握以降、表現主義は「退廃芸術」として非合法化され、運動それ自体は終息へ向かった。

 

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